2026年1月8日
総合内科 八重樫 牧人
かかりつけの先生に通っていれば、健康で長生きするために必要なことをすべて教えてくれる——そう思っていませんか?

米国では、かかりつけ医を受診すると、科学的根拠(エビデンス)に基づく予防医療を網羅的に説明・推奨してくれます。その内容には、予防接種(ワクチン)、がん検診、骨粗しょう症などの検診、禁煙指導や妊娠中の葉酸摂取などのアドバイスが含まれます。
一方で、世の中には根拠に乏しい健康情報も数多く存在します。そのため、どの予防医療行為が「本当にやったほうが良いもの」なのかを、一般の方が見分けるのは容易ではありません。
米国では、USPSTF(※1)やACIP(※2)といった公的機関が科学的根拠に基づく指針を示しており、それをもとにかかりつけ医が最良の予防医療を提供しています。
しかし日本では、まだそのような制度が十分に整っておらず、科学的根拠に基づいた予防医療の恩恵を受けられていない方も少なくありません。
私は現在、米国内科学会(ACP)日本支部の予防医学推進タスクフォース委員会の委員長として、25名の委員とともにその普及活動に取り組んでいます。米国内科学会は世界で約16万人の医師が所属する、米国最大の医学専門職団体です。
皆のチームワークのおかげで、近くACP日本支部のホームページに「信頼できる予防医療情報の日本語版」を掲載予定です。ぜひご活用ください。加えて、私が以前の勤務先で10年以上にわたり情報発信していたように(※3)、成人におけるお薦めの予防医療を一覧で示したA4サイズのリストも掲載予定です。
今回は帯状疱疹ワクチンに関して説明します。
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こる病気で、年齢とともに発症しやすくなり、80歳までに3人に1人がかかるといわれます。
最も怖い合併症は「帯状疱疹後神経痛」で、患者さんの1〜2割に発生します。発疹が治っても痛みが数年〜生涯続くこともあり、私も多くの患者さんを診てきましたが、そのつらさは計り知れません。だからこそ「予防が最善」だと強く感じています。
さらに、帯状疱疹は一度かかっても再発することがあります。米国では2008年からワクチン接種が推奨されてきましたが、日本でもようやく2025年から定期接種が始まります。
2025年度は財源の都合で、65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳以上の方が対象です。しかし、米国の科学的根拠に基づく推奨では「50歳以上のすべての方」に接種をすすめています。
現在、日本では不活化ワクチン(シングリックス®)と生ワクチン(ビケン水痘帯状疱疹ワクチン)の2種類がありますが、どちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。
米国では、帯状疱疹を9割以上、帯状疱疹後神経痛をほぼ完全に防ぎ、効果も10年以上続くとされるシングリックス®が推奨されています。可能であれば、こちらを選ぶことをお薦めします。
新宿つるかめクリニックでは、東京23区の助成制度を踏まえ、最適な接種方法をご案内しています。
ほかにも、科学的根拠に基づいてお薦めできるワクチン・検診・生活習慣のアドバイスは多数あります。詳細はぜひ上記サイトやリストをご参照ください。ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。皆さまの健康に少しでもお役に立てれば幸いです。
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公開日:2026年1月8日
