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心の中の神殿

川上明夫

私は仕事柄、高齢の患者さんをよく診察しています。また、高齢者を対象とした「もの忘れ外来」も行っています。時々患者さんに尋ねるのですが、ご高齢の患者さんの望みは、若さを保つことでも、永遠の命でもありません。そのたびに思い出すのが、ローマ帝政期の歴史家、タキトゥスの「年代記」にある一節です。

「ヒスパニア(現在のスペイン)の使節が、ローマ皇帝ティベリウスとその母のために神殿を建立したいと申し出た。このような名誉を断固として拒む意志を持っていたティベリウスは、元老院で次のように演説した。


『元老院諸君、予は誓って言う。そしてこれが後世に記憶されることを願う。予は限りある人生の中で義務を果たす人間であり、元首の地位を占めることに満足している。もし予が祖先にふさわしい人物であり、諸君のために注意深く振る舞い、危機に際して毅然とした態度をとり、公共の福祉のためには誹謗にも負けない人物だと信じてもらえるなら、予の記憶は十分に敬意を表されたことになるだろう。諸君の心の中にある神殿こそ、予の神殿である。なぜなら、大理石の神殿も後世の評価が変われば、墓石のように扱われるかもしれないからである。だから、予は神々にこう祈る。どうか、人生を全うするまで平静な心を持ち続け、深い理解を得られるようにと』

この演説は西暦23年、つまり約二千年前のものです。西は今のスペイン、東はトルコ、北はイギリス、南はスーダンまで支配したローマ皇帝にとって、思いのままにならないことはありませんでした。しかし、そのローマ皇帝でさえ人間の有限性を理解していたティベリウスは、限られた命の中でも最大限の努力を尽くすように、帝国の内政や外政に心血を注ぎました。そのティベリウスが希求したのは、人生を全うするまで平静な心と理性を保ち続けることでした。

二千年後の現代も、私たちは同じ思いを抱いているのではないでしょうか。医師の使命は、単に病気を治療し、健康長寿を助けることだけではありません。患者さんがたとえ病気であっても、最後まで心の平静を保ち、人間らしい人生を送れるように手助けすることだと、私は確信しています。

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