~高血圧のこともっと知りましょう①~

皆様こんにちは。

新宿つるかめクリニック院長の門前幸志郎です。

今回のブログからは再び私が担当いたします。少しでも読者の皆様のお役に立てるような内容をお伝えできればと考えております。

私の専門は心血管疾患の診療を受け持つ循環器内科ですので、今回はたくさんある循環器疾患の中でも特に患者さんの数も多く身近な疾患である「高血圧」について述べたいと思います。

まず高血圧の定義についてですが、原則としては、

「収縮期血圧(上の血圧)mmHg / 拡張期血圧(下の血圧)mmHgが、診察室において140 / 90以上、家庭血圧において135 / 85以上(いずれも上下どちらか片方でも満たす場合)」

となっています。ちなみにこの定義に当てはめると、推定では国内で4000万人以上が高血圧であると言われており、日本人の約4割が該当するという、たいへん多い疾患であると言えます。

なぜ高血圧を治療する必要があるかというと、高血圧は動脈硬化を通じて様々な合併症を引き起こす原因となりうる疾患であり、皆様の健康や生命を脅かす危険が高いからです。例えば、血圧が10上昇すると脳卒中を発症するリスクがおよそ15%上昇するという疫学的データがあります。高血圧の合併症にはその他にも、狭心症・心筋梗塞、心不全、慢性腎臓病、閉塞性動脈硬化症、脳血管性認知症など、動脈硬化により引き起こされる様々な疾患が含まれます。

さて、皆様がもし高血圧になった場合どのような治療が必要となるかを述べたいのですが、説明文ばかりですと眠くなってスマホを落っことされたりする(経験談)と申し訳ありませんので、ケーススタディの形にして以下に一例を挙げながら、以前のブログに登場したドクターMがご説明していきます。説明といっても問題形式になっていますから、皆様ご自身が主治医になったつもりで考えてみてください。判断のもとになるヒントは添付の図表や文中に書かれています。

ある日の診察室にて

ある日の診察室にて

春を告げる桜が満開となったある日の穏やかな昼下がり、循環器ドクターMの診察室に最近の健診で受診を促された44歳で男性の患者Aさんが訪ねてきました。

ドクターM「今日はどうされましたか?」

Aさんは手持ちの健診結果報告書を広げて、「実は昨年も指摘されていたのですが、今回また血圧が高いといわれて来ました。」

見ると血圧値は「150 / 90となっており、要受診の判定です。

「前から肥満は続いているし、コレステロールも高いといわれているのですが、やっぱり血圧は気になって。症状は特にないのですが。」とAさん。

他の所見にも目を通すと、身長178cm、体重90kgとあるのでBMI(体重kg÷(身長mの2乗))は28.4(標準は18.5~25)と確かに肥満であり、LDL(悪玉)コレステロール値は160mg/dl(基準値は140未満)と高値であるので脂質異常も認めます。他には異常を指摘される項目はありません。ちなみにAさんは喫煙したことがなく、これまで既往歴は特にありません

Aさんは立派なことに受診前に家庭での血圧を測定していて、記録を持参しています。それを見ると血圧はおおむね130 / 80から142 / 88の間であり、平均値は138 / 85となっていました。

ドクターMが診察室での血圧を測ると、156 / 98でした。

ドクターM「これは立派な高血圧ですね。高血圧のガイドライン(表1)によると、Aさんは、

( 問題1: ① I  ② II  ③ III )

度の高血圧に当たります。」

(表1)

(高血圧治療ガイドライン2019に準拠:日本心臓財団のHPより転載。以下同じ)

Aさん「そうですか。このくらいの血圧だと、すぐに薬を使う治療が必要なのでしょうか?」

ドクターM「治療の適応については、血圧の値だけでなく、患者さんそれぞれの背景や合併疾患によって定まるのですよ。ガイドラインに診察室血圧に基づいたリスクの層別化(表2)というのがあって、今の診察室血圧とAさんがお持ちの病気や背景を考えると、

( 問題2: ① 低  ② 中等  ③ 高 )

リスクに該当しますね。



(表2)

Aさん「なるほど。すると私は(問題1)度の高血圧で、(問題2)リスクに当たるわけですね。でも、すると方針はどうなるのですか?」

ドクターM「治療の計画もしっかりとガイドライン(表3)に沿って行いましょう。すると、

( 問題3: 記述式 )

ということになりそうですね。」

(表3)

Aさん「なるほど。よくわかりました。では具体的にご指導くださいますか?」

ドクターM「そうですね。まずは、、、」

 

問題の解答と具体的な治療は次回「高血圧のことをもっと知りましょう②」に続く☛

循環器内科のページはこちらです。

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