呼吸器内科 小川ゆかり
皆様こんにちは。呼吸器内科の小川ゆかりです。
前回は新型コロナウイルス感染と喫煙についてお話しさせて頂きました。「新型コロナにかかったときに重症になってしまうリスクが高いなら、早速煙草はやめよう!」と決心しても、自己流ではなかなか禁煙できない方も多いのではないでしょうか?
「煙草をやめるなんてとても簡単なことだ。私は百回以上も禁煙している」
これは、『トム・ソーヤーの冒険』の作家マーク・トウェインが語った有名な言葉です。禁煙を始めるのは簡単でも、それを継続することは難しいことがよくわかりますね。
そこで、今回は禁煙治療についてお話しさせて頂きます。
禁煙治療は2006年4月からある一定の条件を満たすと保険治療が可能となりました。これは喫煙を単なる習慣や嗜好と考えるのではなく、ニコチン依存症という病気としてとらえ、必要な治療を行うという考え方です。
自己流で禁煙をできないのは意志が弱いからではなく、『ニコチン依存症』という薬物依存だからなのです。
禁煙に自力で取り組んだ場合の成功率は10%程度ですが、治療による禁煙成功率は70~80%となっています。
・タバコ葉を含むスティックを直接加熱するタイプ:スティック1本を紙巻タバコ1本として換算
・タバコ葉の入ったカプセルやポッドに気体を通過させるタイプ:1箱を紙巻タバコ20本として換算
〈例〉
21歳から30歳まで紙巻タバコ喫煙1日15本、31歳から35歳まで紙巻タバコ喫煙1日5本に加え加熱式タバコカプセルタイプ(1箱5カプセル入り)1日2カプセルの場合、ブリンクマン指数の算定は
(15本×10年)+(5本×5年)+(20本×2/5箱×5年)=215となります。
※上記に該当しない外来患者さんの場合は自費診療となります。
5点以上の場合、「ニコチン依存症」と診断されます。(はい1点/いいえ0点)
禁煙治療のための標準手順書 第7判より抜粋
禁煙を決心された方は医療機関の受診をお勧めします。新宿つるかめクリニックの呼吸器内科では禁煙外来を設けて治療を行っています。
日本循環器学会, 日本肺癌学会, 日本癌学会, 日本呼吸器学会
禁煙治療のための標準手順書 第7版
次回のブログは循環器内科 寺島正浩先生です。